老いのかたち

衝動買い

欲しい本がある時は躊躇なくAmazonに注文するのだが、今回の「インド仏教史」著者 平川彰ばかりは購入に妙な躊躇いが有る。 それというのも、”仏教研究の第一人者が初学者でも容易に通読できるように平易・明快に語るインド仏教史”などとセールスコピーには…

湖(うみ)の荒れる日

龍谷大瀬田キャンパスでの講座からの帰り、今年も草津市志那湖岸にコハクチョウが飛来していたことを思い出し寄り道してみたが、その姿を見ることは叶わずだった。 西からの強い風で湖は随分荒れている、荒れた波間に僅かばかりの鴨が漂っているだけだった。…

老いのかたち(20)

頂戴した年賀状に再度目を通す。 現役時代の頃は400枚近く貰っていた賀状も、年々減り今では100枚足らずになっている。 リタイアして13年目を迎えるのだ、歳月の経つのとともにそれぞれが疎遠になっていくのも道理だ。今年は頂戴した年賀状の中に幾つか気に…

ほしい物リスト

Amazonに頼んでおいた本が届けられた。 最近では書籍を購入するのは殆どがAmazonか電子書籍Kindleになっている。 そんな関係で、Amazonのホームページのほしい物リストには、いつの間にか20点近い書籍が登録されている。今日届いた「二千七百の夏と冬」萩原…

神頼み

初詣は比良山麓に引っ越して来て以来、還来神社など三社が恒例になっている。 昨年は孫達が大学や高校受験だったから合格祈願を祈ったが、今年は簡単な参拝だった。 本来だったら、孫達の合格のお礼や一年間無事に過ごすことが出来た事の感謝を言上しなけれ…

庭の柚子の実を収穫する時はその鋭い棘に刺されないように細心の注意を払っている。 用心に用心を重ねていたにも関わらず今日は収獲の時、左手薬指の腹を刺されてしまった。 背丈よりも高い所にある実を採り入れようとして、つま先立った状態で葉の茂みに手…

読むと聴く

昨夜は午前3時近くまでの読書だったが久しぶりの早起きをする。 ぐずついた天気が続いていたが今朝は明るい陽射しの好天だ。 気象予報によれば夕方頃から天気も崩れるとのことだったから、晴れ間のうちに家の周りの片付けや窓拭きなど、年の暮れの大掃除を…

呆け暮らし(2)

12月に入ってから呆け暮らしが続いている。 寒さの所為で外出が億劫になっているのだ。 昨日の講座「歴史家たちの群像ー歴史のはじまりとは何かー」もサボってしまった。書斎から見る早朝の雪景色は素晴らしかったから、これまでだったらカメラザックや三脚…

我儘な味覚(5)

食べ物の味に関するる記憶はどんなふうに記憶されているのだろうか。 美味かったとか不味かったとかという記憶、ある料理に対する味そのもの(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)あるいは風味といった味覚の記憶、これらの記憶は不変のものではなく記憶域の中…

狗肉を売る

羊の肉はこれまで何度か喰ったことはあるが、犬の肉は喰ったことがない。 だから犬の肉はどんな味がするのか、どんな料理なのか全く想像も出来ない。 「羊頭を掲げて狗肉を売る」などという言葉があるくらいだから、羊の肉に比べて狗肉は相当に不味いのだろ…

早朝の堅田漁港

外付けのハードディスクに溜まっているファイルの整理する。 よくも溜め込んだと思うほど未整理のままファイルを抱え込んでいるのだ。 一度の撮影行で何十ショット何百ショット撮ろうと、残しておくべきシーンはそれ程ある訳でもないのに、溜まりに溜まって…

講演会に参加する

滋賀県教育委員会が主催する講座「近江の山寺を探る」に参加する。 寒空の中出掛けただけの価値はあった。 特に基調講演に当たる冒頭の講演、山本義孝(袋井市歴史文化館)さんの「中世の山寺(山岳寺院)ー多様な様相とその成立背景ー」は、中世という時代…

呆け暮らし

寒風が吹き荒れている。半ば呆けたように書斎に閉じこもっていた。写真仲間たちと開催している写真展出品作品の一次選定作業が近々行われるから、その候補作の選び出しやプリントアウトの準備などに取り掛からねばならないのだが、今日も作業する気になれず…

土釜

伊賀焼の窯元長谷園から「かまどさん(土釜)」が届いた。 先日の伊勢志摩への一泊旅行に行く途中、寄り道して立寄った窯元で注文していたものだ。 ”土鍋の使い始めは目止めが必要です ”という注意書きに従って粥炊きの準備をする。 これは、伊賀土鍋は蓄熱…

老いのかたち(19)

探し物のため書棚を掻き回していて、金色の金属製のしおりを挟み込んだ本を見付け取り出す。 本は随分昔に読んだサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突と21世紀の日本」・集英社新書。 金属製のしおりの頭が見えなければ取り出さなかっただろうが、いっと…

湖岸の流木

処女湖、天狗岩、石田川ダム上流方面(高島市今津)へ紅葉狩りに出掛けてみたが既に全山落葉。それに処女湖にも石田川ダムにもダム工事の為だろう全く水が無いのだ。 山々の秋彩も水面に映りこんだ華やぎも見られずだったからカメラを取り出すこともなかった…

ツワブキにいた虫たち

秋季特別展「造形衝動の一万年」見学と水野正好氏(元興寺文化財研究所所長)の講演を聴きに安土城考古博物館へ行く。博物館構内に茅葺きの旧い農家が移設されている、この農家の庭先のツワブキの上でキアゲハ、ツマグロヒョウモン、キタキチョウ、カマキリ…

図書館へ行く

カミサンから特別注意されることもなかったのを幸いに自儘な暮らしを続けて10年が経つ。 自儘な暮らしも当初はそれなりに自己規律のタガをはめていたが、老いとともにタガは緩み放しだ。 生活からリズム感が失われ、昼夜逆転とか遅い起きだしとか長い午睡と…

脱皮について

今日Amazonから届いた「月と蛇と縄文人」大島直行著・寿郎社に眼を通していて、カエルの脱皮のことを知り、あっ!と思った。 これまでチョウやトンボ、カブトムシ、アブラゼミの脱皮(羽化)のシーンを何度も見たし、それらを撮ってもいる。 また脱皮の痕跡…

十三夜の月

読み忘れていた新聞に眼を通していて、気象欄で月齢13.2という記事を見付けた。 今夜は十三夜の月が出る夜なのだ。 十三夜の月という語句には幾つかの懐かしい記憶があり、月を見たかったが今日は生憎の曇り空、十三夜の月を見ることが出来ない。古いファイ…

旅に出たい

どんよりと曇った空、思い出したようにやって来る時雨、暗鬱な一日だった。 読書に倦むと眼を上げ、ボケーッと輝きを失った灰色の湖面を眺めていた。 灰色の湖面を眺めながら、旅に出たい、それも冬の日本海を見たい、そんな思いが募っていた。冬の日本海、…

十三夜の月とルリタテハ

「アビダルマから「空」の仏教哲学へ」の第3回目「三世実有と刹那滅論争」の講座に出るつもりで、ザックに幾つかの資料や電子辞書、外出時には手放したことのないコンデジEX-10などを詰め込み、玄関先まで出たのだが何故か足が重いのだ。 講座に出席する時…

読書のかたち

今年の初め頃Kindleを手に入れてから、読書は電子書籍を利用することが多くなつた。 Kinndle1台あればどんな分厚い本もこれに収まり、持ち歩くのにも便利だったし、判らない語句はわざわざ辞書を引かなくてもその語句をタップすることで検索出来るというこ…

書斎に閉じこもって

昨日から書斎に閉じこもっていた。 読書半分呆け半分という状態だった。 読書の方は「下天を謀る」安部龍太郎著(新潮文庫)上下2巻を読了した。 戦国時代の武将藤堂高虎については、七度も主家を変え、最後には豊臣側から寝返って徳川に仕えた「世渡り上手…

色の名前

老齢化とともに語彙の数も減少していくのだろうか。 つい最近も、書斎の窓から朝焼けの空と琵琶湖を眺めていて、その色合いを上手く表現する言葉・色の名前が思い出せず、我ながら苛ついていたことがある。そんなこともあって、角川書店から出ている「色の名…

雨の一日

終日降ったり止んだりの憂鬱な一日、書斎に閉じ込められていた。 雨の日は読書と決めているのだが半ば呆けていた。 咀嚼するのに時間のかかる本は読む気にならず、先日図書館で借りていた「世界一の昆虫」リチャード・ジョーンズ著(日経ナショナルジオグラ…

ショウリョウバッタ

午前6時前、寝室の窓を開けるとけたたましい蝉の声が飛び込んでくる。 台風一過の爽やかな朝だ。 台風11号は各地に甚大な被害をもたらしたようだが、比良連山山麓では幸いな事に大きな被害もなかったようだ。家の周りの後片付けをした後、いつもの草叢へ入っ…

我儘な味覚(4)

久しぶりに図書館へ行く。 電子書籍(kindle)で購入したヘミングウエーの「老人と海」訳・祭谷一斗を読み終えたが、 何かしらこなれの悪いざらざらしたものを喰ったようで後味が悪く、その悪さの一端を調べてみようと思い立ち図書館へ行ったのだ。中央公論社…

老いのかたち(18)

午前5時を少し過ぎ二階の書斎の窓を開け放つ、爽やかな朝が始まっていた。 撮り溜めた写真の整理やRAW現像をやった後、ヘミングウェイの「老人と海」を読む。 文庫本の「老人と海」を持っていたと思い、書棚を探しまわったが見当たらない。 以前だったら見当…

昆虫料理・絶品レシピ

今日のNBO(日経ビジネスオンライン)を読んでいて、”「昆虫料理」絶品レシピ・アメリカの昆虫料理本の著者オススメ3品 ” という記事を見付ける。簡単なコオロギ(成虫になっていないもの)の塩焼きから、かなり手の込んだコオロギとオルゾーパスタ(米粒型…