老いのかたち

老いのかたち(51)

今日は運転免許更新のための「高齢者講習」の日、受付時間よりもかなり早めに最寄りの自動車教習所へ出掛けた。受付をはじめてあっ!という状態になった。持参しなければならないものうち最も肝心な運転免許証が見当たらないのだ。カバンをひっくり返して中…

バスボートとオオバン

昼下がりに出掛けた湖では、僅かにオオバンとカルガモの姿とバスボート1隻を見かけただけだった。なんとも寂しい風景だった。1ショットして早々に引き上げる。 帰りはいつもの漁港に立ち寄る。漁港にも水鳥の姿はなく釣り人の姿もなかった。 北からの風は…

クマゼミ

新聞を取りに出た折、門扉の前のひょろひょろと伸びたタカサゴユリにセミの抜け殻がくっついているのを見つける。最初はアブラゼミの抜け殻のように思ったが、よく見ると抜け殻の下のユリの葉隠にクマゼミがいるのだ。 玄関先のシロダモの根元から這い出して…

季節の移ろいに鈍感になっている

陽射しは穏やかだったが風が強かった。時に突風が吹きつけることもあり、田圃道では2度ほど帽子を吹き飛ばされる。キジの姿を見掛けることはなかった。ファインダーを覗いたのは、ヒバリ、ビンズイ、ムクドリを見掛けた時だけだった。 白い小さな花で覆われ…

老いのかたち(46)

2階の書斎の戸締まりに上がった時、対岸の明かりがいつになくくっきりと見えた。雨が上がり冷たい風が湖面を吹き渡っているせいだろう。きちっと撮るには三脚を用意しなければならないのだが、三脚は車のトランクに積んだまま。寒風の中車庫まで取りに行くの…

柚子の木にいたナナホシテントウ

庭の柚子の木の実は、昨年はポリバケツ5杯分ほど採れたが、今季はほんの僅かばかりだ。2月初めにカミサンが入院したこともあり剪定作業や施肥など怠った所為だろう。実が少ないのとは反対にまっすぐ上に伸びる徒長枝が目立つている。コイツを取り除こうと…

小さな鳥の羽根

昼下がり、買い物帰りの重いバケットを持って階段を上っていた時、今日は小さな鳥の羽根を見つけた。何という鳥の羽根だろうか、拾い上げる。先日は虫撮りに出掛けたITOUさんの菜園でトビの羽根を見つけ持ち帰る。 トビの羽根と階段で見つけた小さな鳥の羽根…

案山子

午後から小さな谷間の畑へ行く。畑へ向かう急坂を下りていて、下の畑に人がいるのを見つけ声を掛ける。畑のあぜ道を通らせてもらう時などの礼儀として一声かけることを習いにしているのだ。農作業の手を休め休憩している様子の人からの反応がない。案山子だ…

ショウリョウバッタとアリグモ

午後から虫撮りに出掛けるつもりで、100mmマクロやツインフラッシュ、三脚などを準備していたが出掛けられずった。昼食の後の眠気がいつになく酷いのだ、椅子の背を倒すなり眠ってしまった。そんなこともあって今日の虫撮りは、玄関先のタカサゴユリの上にい…

老いのかたち(45)

元号平成も本日で終わりだ、後一時間足らずで新元号令和が始まる。 今日は昨日の続きであり明日は今日の先にあるもの、そんな時の移ろいに身を任せての日々が続いてきたから、終わりといわれ初めといわれても老躯には格別な感慨は無い。 終わりも無ければ初…

老いのかたち(44)

深夜の読書が祟って10時過ぎの眼覚め、朝の鳥撮りに出掛けられずだ。 買い物から帰ってからの遅い昼食、その後暫く経ってからもの凄い睡魔に襲われ、背もたれを倒して眠ってしまった。いつになく長い午睡だったのと料理当番の日だったこともあり、午後からの…

老いのかたち(43)

数日前、2階のベランダの手すりに止まっている2羽のスズメを見かけた。 寄り添うように止まっている姿が何とも可愛らしいのだ。 書斎のカーテンとガラス窓をそっと開け、スズメに気づかれないようにと網戸をゆっくり開けにかかる、スズメは敏感だった、僅か…

老いのかたち(42)

予約しておいた本が準備できましたというメールを貰っていたので図書館へ行く。 いつもは車なのだが日頃の運動不足解消にと歩くことにし、少し遠回りして図書館へ向かう。 歩いたことで、見慣れていた風景がいろいろと変化していることに驚く。 時の流れに全…

ヤマトシリアゲのこと

台風24号の影響で雨は昨夜半から小止みなく降り続いている、随分肌寒い。 撮り溜めていた写真の整理と外付けHDDへの移行作業をしていて、思い出せずにいた虫の名前やその生態のことなどを突然思い出した。 9月19日に名前が思い出せないままUPしていたコヤツ…

空蝉

夕方遅く玄関先で水撒きしていて、タカサゴユリの葉にしがみついているセミの抜け殻を見る。 よくよく見て廻ると、猫の侵入を防止するために設えている網柵にも、ブッドレアの木にもくっついていた。 昨夕の水撒きの時には全く気付かなかったから、昨夜半か…

老いのかたち(39)

短い午睡の後キジを見に行く。 車を停めたすぐ眼の前のレンゲ畑にいるキジを見付ける。 幸先良しと畦道を小走りに行くのを追いかけるが、ヤツは今日も機嫌が悪かった。 全身が見える田圃道へ回り込みファインダーを覗くやいなやヤツは翔び立つ。 150-600mmを…

寒雀

JR湖西線和邇駅近くの雪の田圃道で4人の撮り鉄さんが三脚を立てているを見た。 買い物の行きにも帰りにも見たから、撮り鉄さん達は2時間以上も吹き晒のそこにいたようだ。 この寒空、いったい何を狙っていたのだろうか。 獲物を待つ撮り鉄さんの辛抱強さに…

時雨に追われて

元旦以来5日間スマホもPCも電源を切ったままだった。 不感地帯の暮らしも割り切ってしまえばそれなりにいいものだと思われる。陽射しも明るかったので湖北へ鳥撮りに出掛けたが、途中突風混じりの時雨に出逢いUターン、今年の仕事始めにと思い出掛けて来た…

寒い日のために(2)

昨夜遅くまで読書をしていた所為で起き出したのが午前11時前、陽当たりの場所では昨夜の雪は半ば以上溶けていた。 雪のフィールドへ鳥を見に行くつもりだったが億劫になる。 億劫になった原因の一つが雪の後の寒さだ。 雪の様子を見に玄関先に出た時、思いも…

寒い日のために

買い物帰りに立ち寄った本屋さんで何気なく手にした写真集、浅井美紀さんの「しずく作品集&撮影テクニック」を買ってしまった。 書籍類は図書館で借りることを専らにし、借り出しにくいものは電子書籍で購入することを自分に課しているのだが、今回の写真集…

老いのかたち(38)

京都祇園のぎゃらりい西利で開催されているフォト禅「四季有情」第35回写真展が今日までだということを思い出して見に行く。 いつものコースでギャラリー古都、ギャラリー&喫茶・繭にも立ち寄ってみた。老いが進むとともに感受性が極端に劣化しているのだろ…

老いのかたち(37)

夕方の琵琶湖を棚田の上から眺めてみたいと思い権現山の麓栗原の棚田へ行く。 川沿いに車を停め急勾配の棚田道を歩き始めて間なし左腰を激痛に襲われる。 カメラもザックも放り出して道端の草むらに座り込んだ。 何の前触れもなく激痛に襲われることが夏の終…

老いのかたち(36)

古い友人のKさんから個展を開くという案内状を頂戴する。 彼の詩情豊かな作品を拝見しに行きたい、今もなお絵筆を握っている八十翁の貌も見たい。 そんな思いがあるものの、会場が愛媛県松山市となんとも遠いのだ。 昨年夏頃までだったら車をぶっ飛ばして出…

落ち蝉

新聞を取りに出た折、階段に転がっている落ち蝉を見付ける、今年初めて見る落ち蝉だ。 落ち蝉を見ると決まって思い出す句がある、誰の句なのかは思い出せないが。 落ち蝉のなきつくしたる軽さかな。 落ち蝉の写真をPCに落とし込んでいて、切り抜いておいた京…

空蝉

オニユリの花が終わって半月近くなり、やっと玄関先のタカサゴユリが花開き始めた。 オニユリにはキアゲハやナガサキアゲハなど蝶の仲間がやって来るが、このタカサゴユリに蝶たちが来ているのを今まで見たことがないのだ。 10数本のタカサゴユリはそれなり…

オニユリに来たキアゲハ

オニユリに黒いチョウと黄色いチョウが来てますよ、一雨来そうな空模様を気遣って洗濯物の取り入れを始めていたカミサンから声がかかる。 昨25日の日以来虫撮りにも鳥撮りにも出掛けず半ば以上呆けていた(ブログも書かずだった)こともあり、カミサンの知ら…

老いのかたち(35)

書斎の片付けをしていて机の下からAmazonから届けられた郵パック2個を見付け出す。 中に入っていたのは「古代文明と気候変動ー人類の運命を変えた二万年史」B・フェイガン著 河出文庫、「蛇と十字架ー東西の風土と宗教」安田喜憲著 人文書院 の2冊。 郵パ…

老いのかたち(34)

旧い知人のSさんから近況伺いとお誘いの手紙を貰った。 昔からの知人とのやりとりも現在ではほとんどすべてがEメールになっているが、Sさんからのものは決まって手書きのしかも墨書のものなのだ。 彼女は情報システム関連の仕事やインストラクターを長い間し…

老いのかたち(33)

スーパーの野菜売り場でタラの芽が並んでいるのを見掛け、タラの芽が芽吹く頃にタラの木にやって来るヒメシロコブゾウムシのことを思い出した。 こんなこともあって買い物から帰った後、ITOUさんの菜園へ行く。 菜園の斜面にある10本ほどのタラの木の芽吹き…

老いのかたち(32)

雨の一日、鳥撮りに出掛けられずだったので、録画しておいたNHKスペシャル「足元の小宇宙〜生命を見つめる植物写真家〜」を見る。 老齢の植物写真家埴沙萠さんの活動の様子を収録したものだ、これまで何度も見てきた。 これほどまでに繰り返し繰り返し見たも…