新聞を取りに出た折、門扉の前のひょろひょろと伸びたタカサゴユリにセミの抜け殻がくっついているのを見つける。最初はアブラゼミの抜け殻のように思ったが、よく見ると抜け殻の下のユリの葉隠にクマゼミがいるのだ。
玄関先のシロダモの根元から這い出してきたようだ。ユリに来ずにシロダモの枝に登ればいいのに、クマゼミの重さに耐えられないようなひょろりとしたユリの葉先に来ているのだ。そこは撮影するに朝はもろに逆光の場所、内蔵フラッシュを焚くもうまく光が廻りきらないのだ。いい光が欲しいとレフ板を2階の書斎に取りに上がり、戻ってみると既にヤツの姿は消えていた。
アブラゼミの羽化のプロセスを2度ほど撮っているが、もう一つ満足出来ないのだ。羽化のシーンをきちっと撮りたいと思いながら撮れずにいる。門扉の前という絶好の場所だったのにヤツがいるのに気付かなかったのだ。
クマゼミの羽化のプロセスを撮るには、ITOUさんの菜園に枝を伸ばしているセイヨウニンジンボクまで幼虫を探しに出かけ、何個かもらって帰って玄関先のシロダモの枝に止まらせばいいのだが、なんとも億劫になっているのだ。今年やらなければ来年は余計やれないだろうに、老躯は動き出しそうにない。遠くまで出掛けなくても、庭のシロダモや金木犀の木の周囲を探せばセミの幼虫を見つけ出せるかもしれない、それさえ出来かねているのだ。寂しくなる。