時雨に追われて

元旦以来5日間スマホもPCも電源を切ったままだった。
不感地帯の暮らしも割り切ってしまえばそれなりにいいものだと思われる。

陽射しも明るかったので湖北へ鳥撮りに出掛けたが、途中突風混じりの時雨に出逢いUターン、今年の仕事始めにと思い出掛けて来た鳥撮りも断念だ。
時雨に追われるようにして帰途につく。

フロントガラスを打つ時雨に、山頭火の時雨を詠んだ句が幾つもあることを思い出すも、その一つとして思い出せないのだ、何だったかな何だったかな。
帰宅してPCを立ち上げググる
思い出そうとしていたのは「うしろすがたのしぐれてゆくか」だった。

山頭火の句を読んでいて「どうしようもないわたしが歩いている」や「雨だれの音も年とった」などが現在の心象風景にピッタリだと思い何度も口ずさんでいた。

「盗まれた記憶の博物館」ラルフ・イーザウ著 酒寄進一訳を借りて帰る。