老いのかたち(35)

書斎の片付けをしていて机の下からAmazonから届けられた郵パック2個を見付け出す。
中に入っていたのは「古代文明と気候変動ー人類の運命を変えた二万年史」B・フェイガン著 河出文庫、「蛇と十字架ー東西の風土と宗教」安田喜憲著 人文書院 の2冊。

郵パックで届けられたものを何かに取り紛れて開封もせずにいたのだ。
先日の立命館大学土曜講座を聴講したその日の夜に注文し翌日には届けられたように思うから、10日近く忘れていたことになる。
いつの頃からか、こんな忘れ物をすることがあるのだ。

呆けが進み、自分の名前も家族のことも思い出せない、自己認識できない、そんな状態になった時、その人は誰なんだろうか。
その人の心の中にはどんな世界が広がっているのだろうか。
老いのことをとつおいつ思い巡らせていた。