老いのかたち(37)

夕方の琵琶湖を棚田の上から眺めてみたいと思い権現山の麓栗原の棚田へ行く。
川沿いに車を停め急勾配の棚田道を歩き始めて間なし左腰を激痛に襲われる。
カメラもザックも放り出して道端の草むらに座り込んだ。
何の前触れもなく激痛に襲われることが夏の終わり以来何度かあるのだ。
草叢に座り込み琵琶湖を眺めながら老いの事を考えていた。

正常な意識は保っているが体のあちこちに痛みを覚える状態、体は丈夫だがボケが進んでいく状況、この何れかを選択しなければならないとしたらどちらを撰ぶだろうか。

座り込んでいた場所はスマホの電波の届く場所だったから安心していたが、電波の届かない雑木林の奥だったら.....。
老躯の行動範囲もいつ襲ってくるかもしれない激痛の事を考えると一段と狭くなる。
行動範囲が狭くなるのはやむを得ないことだが寂しさがつのり悲しくなる。

老いのかたちを自覚する、自分自身の体と意識の細部までをしっかりと自覚しなければ事故を起こすことにもなりかねない。

今日の1ショット。