トビと赤いトラクターそして物怖じしないキジ

玄関先の階段の上に伸びる木蔦の実を啄みに今日も朝早くからヒヨドリが来ていた。時には3羽が同時に来ることがあり、けたたましい啼き声がする。厄介なのはヤツラが木蔦を食った後、青黒い糞を階段の上に点々と落としていくことだ。乾いてこびり付いた糞は簡単には取れない。ごしごし擦り取るためのデッキブラシを買いに車を出した。その買い物の途次、キジ撮りのフィールドに赤いトラクターとそのトラクターの上をトビが旋回しそれに反応してケリが飛び立っているのを見つけ、寄り道した。

赤いトラクターのいる田んぼのはるか先にキジがいるのを見つけた。

メスが近くにいるかもしれないと思い畦道に入った時、突然コヤツが飛立つた。驚いたことに一瞬の間をおいて近くの田圃からもう1羽が飛び出した。キジは2羽いたのだ。なおも驚いたのはその飛翔力、赤いトラクターの上を飛び越えるという飛翔だ、170-180mと思える距離。これまで何度もキジの飛ぶのを見てきたがこんな距離を飛んだのを見たのは初めてだった。着地したのは民家の近く。

キジは最長どれくらいの距離を一気に飛べるのだろうか。この後2羽とも草むらに隠れ見失う。

赤いトラクターの近くからトビもいなくなったので帰りの畦道に入る。畦道は所のよっては田ごしらえの為に用水路に溜まった泥や水草を掻き上げているからなんとも歩き難くなっている。足元に注意しながら歩き、時に道の凹凸に転びそうになる。やっとこさ農道に出て眼を上げた時、向かいの田の畦にキジがいるのを見て再び畦道に踏み込む。

なんと物怖じしないヤツだろうか。5mとない距離に近づいても動かずにいるのだ。その上、母衣打ちまで見せてくれた。それも続けて2度だ。

手を伸ばせば触れそうな至近距離まで近づく。ヤツはやっと動き出しゆっくりと草むらに入っていった。

ヤツが入っていった此処は道路の直ぐ近くだが、何年か前迄はセイタカアワダチソウや野茨の繁茂する絶好のキジの隠れ場所だった。スズメの塒でもあった。夕時たくさんのスズメの啼き声を聞いたことがあった。

今日は180m近く翔んだキジと手の届く距離に近づいても逃げ出さないヤツに驚く、いい一日だった。