キジの夫婦連れを追いかけて

田んぼ道に踏み込み耕作放棄地の雑木林の横に出た時、3区画ほど向こうの荒起こしが未だ終わっていない田んぼにヤツがいた。ゆっくり間合いを詰める。

近づいてくるこちらの存在に気付いたのだろう、草むらで何かを啄みながらのんびりと歩いてヤツが急に足早になり、田んぼを横切って行くのだ。

かってEブロックと名付けていた耕作放棄地は、4年前ほどにブルドーザーが入り、今では栗や梨の木が植えられた果樹園に変貌している。この若い果樹園の草むらにヤツは潜り込んで行く。

何かありそうだ、そんな予感がして畦道を急ぐ。予感は当っていた。メスがいたのだ。

用心深いメスなのだがかなりの距離まで近づいても餌を探しているのだ。

メスから離れたオスが突然甲高い声を上げ母衣打ちをを始める。それにレンズを振る。

母衣打ちの一連の行動を終えてオスが歩き出すと同時にメスを探したが、何処にもいないのだ。600mmにズームアップして周辺の草むらを丹念に探すも見つからずだ。ファインダーから眼を上げてみるとオスも姿を消していた。老爺も三脚を担ぎ上げ場所移動。再びヤツラを見つける。

この後キジの夫婦連れは草むらに潜り込み姿を見せることはなかった。

まずはの夫婦連れのショットが手に入ったから後は運動のためにとフィールドを一廻りして帰ることにした。一回りを終え畦道を帰っていて、小さな菜園の草むらから顔を覗かせているオスを見つける。ヤツは菜園から歩き出すと、ゆっくりと塒にしているカワヤナギの木の下の草むらへ帰っていった。メスの姿を見ることはなかった。

本日好天。いい一日だった。ヒナを連れたキジの一家を撮りたいものだ。