寒晒し

例年今頃の時期になると決まって思い浮かべる場所がある。岐阜県郡上八幡だ。市中を流れる吉田川で行われる冬の風物詩「鯉のぼりの寒晒し」を撮りに行きたいのだ。もう随分以前から思いを募らせているのだが実行できずにいる。一度はお城の近くの宿を予約していたが急な発熱で身動きがとれなくなりドタキャン。寒晒し撮りを断念したことがある。撮りたいという思いも老いた今ではもう叶えられそうにない。

kankou-gifu.jpにある寒晒しの写真を眺めながら、出掛けなかったことを悔いている。

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kankou-gifuのホームページには幾つもの寒晒しの写真が載せられている。これらを見ながらこの風景をどんなふうなアングルで撮ろうかと老爺は思案している。思い描くことがなんとも楽しいのだ。こんな心理状態を心理学ではなんと呼ぶのだろうか。バーチャルな空間の中で写真を撮っているのは代償行動とでもいうのだろうか。

果たせなかった寒晒し撮り、冬の高速道路をぶっ飛ばす元気さは残っていないのだ。それに助手席に座り、ナビゲーターや魔法瓶からホットコーヒーを用意してくれるカミサンも、昨年初め頃から元気がないのだ。

二人の老い 寂しさが沁みる。