小さな命

夜半過ぎにエアコンを切り寝室の窓を少し開けていた所為で、蝉の鳴き声で目が覚める。
鳴き声からして一匹のアブラゼミだが、なんというけたたましいことか、窓のすぐ上の壁に止まっているようだ。
玄関先に抜け殻を残しているあのアブラゼミだろうか。

蝉に起こされたのを幸いにPukuさんと朝の散歩に出る。
散歩の途次、カマドウマの死を見る。

「小さな命の終り」と名付けたファイルに虫たちの死が撮り込まれているが、このファイルを開く度に、その虫たちのそれぞれの生涯を想像する。

私を起こしたアブラゼミは羽化するまでは土中で6年間を過ごし、蝉(成虫)の期間は1ヶ月足らずだというが、このカマドウマはどれくらいの寿命だったのだろうか。
小さな命のことを考えている。

福島の虫たちも放射能の影響を受けているのだろうか。
もしアブラゼミ放射能の悪影響を受けているとしても、奇形蝉が生まれるのは6年後だ。
一夏で終わる命もあるが、本来命は長い長いスパンで考えねばならないものだと思う。