昨日は午前中2時間ほどフィールドにいた。キジの夫婦を追いかけ続けていたのだ。こ
の時思わぬ枚数を撮っていた(761枚)。これらを深夜まで整理していた事もあって今朝は起きられず、カミサンがかけてきたスマホに起こされるほどだった。
昨日のキジの夫婦との出逢いから営巣場所の草むらに隠れるまでをピックップして。
朝の光のことを考えてかなり遠廻りしてフィールドに入った。このことが幸いしたようだ。耕作放棄地の背の高い草むらの角を廻った時、キジの夫婦が農道を歩いているのを見付けた。
この後キジたちは左側の草むらに姿を消した。暫くしてから1区画離れたヨシ原から啼声が聞こえてくる。その啼声のあった場所を目当てに畦道を迂回、2度目の啼声からキジを見つけ一連の母衣打ちのシーンを撮った。再びキジは草むらに隠れる。
再びキジの夫婦を見つけたのは、キジが姿を隠した草むらから遥かに遠い民家の庭先にある菜園の夏みかんの木の下、20分近く経っていただろうか。接近するのにまたも田んぼ道を迂回しなければならないのだ。
近づいて数ショットする間もなく再び姿を見失う。菜園のトウモロコシ畑の向こうに入っていったのだ。この菜園のあるお宅の庭には赤いトラクターが置いてあり、この庭先にキジの夫婦が現れると面白いショットが期待できるのだが、そこに辿り着くにはまたも田んぼ道を迂回しなければならないのだ。遠いのだ。老爺は炎天下歩きだすことを躊躇っていたが、歩く門に福来たるだよ、そんなことを呟きながら目的地へ向かった。
日陰になった道端の縁石に腰を下ろしてしばらくの間休憩、老いの悲しさ息切れがしているのだ。
赤いトラクターが置いてある庭先にも菜園でもキジの気配は全く感じられなかった。今日のキジ撮りもここまでと思い引き返す。在所の脇道を出て田んぼ道に入ると再びキジの夫婦を見付ける。姿を消しては思いも及ばない所に姿を現すキジの夫婦に、なんとも言えぬ嬉しさを覚えていた。
キジの夫婦が歩いていく方向から察するに縄張りのねぐらへ帰ろうとしているようだ。キジの通り道の直ぐ上には人がいる。これを気にしてか先行していたメスは途中のイチジクの木の下に入ったまま動き出すことがなかった。
3脚を立てキジたちの動き出すのを待つことにする。持参のコーヒーとクラッカを取り出す。根比べだ。どれくらいの時が経っただろうか、メスがイチジクの木の下から動き出す。農作業をしている人の下の道を避け遠廻りして巣に帰ろうとしているようだ。
続いてオスも姿を見せる。
メスと同じように田んぼの中へ入っていった。
田んぼから出ると間なしねぐらの草むらに上っていき姿を隠した。草むらの斜面の一角は草の生えていない砂地、キジたちがよく現れる箇所だ。そこを目指して重いヤツを担ぎ再度田んぼ道を戻る。
想像していたようにキジたちがいた。しかも初めて見るメスの砂浴びを眼にしたのだ。
オスは砂浴びをすることもなく上の草むらに潜り込んでいったが、メスな砂浴びに夢中だった。
結構長い間砂浴びをしていた。よくよく見ていると居眠りしているように眼を閉じているのだ。4月の中頃、オスが砂浴びしながらこのメスと同じように瞼を閉じ居眠りしているようなシーンを撮っている。キジの生態はよく知らないが、まぶたを閉じ居眠りしているような行動は本当に一眠りしているのだろうか。羽の中に砂を入れる行動を何度か繰り返しては、再び瞼を閉じていた。
随分経ってからメスはオスが隠れた草むらへ上っていった。
老爺も3脚をたたみ帰路につく。
炎天下だったがいい一日だった。