遠廻りして縄張りへ帰るキジ

雲間から明るい陽射しが射してきたのでキジのフィールドへ行く。遠くの田圃の畦に黒いヤツがいるのを見つけ、600mmにズームアップしてキジだと確認して、水溜りが多くなり始め歩きにくくなった草道へ入る。

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近づいていて一瞬だがオスの側にメスがいるのを見た。メスが少し高くなっている畦の向こう側に姿を隠すと間なしにオスも身を沈める。キジのペアは畦の向こう側を移動しているようだ。餌探しをしながらゆっくり移動しているようだ。時折オスが頭を上げて周囲を確認しているような素振りを見せる。キジが移動している田圃の両側は田植えのための水が入っていることもあり、キジがバックしない限り向かう所はほぼ1ヶ所、そこが見える場所へ先回りし3脚を立てた。

待てど暮らせどと言う感じの時間がすぎる、一向に姿を見せないのだ。待ち草臥れ、三脚からカメラを取り外して、揚げヒバリや甲高い啼声を上げてトビを追いかけるケリにレンズを向けていた。小半時も経っていただろうか気がついた時には、キジのペアは姿を現し畦道を営巣場所と思われるヨシ原へ向かっていた。

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メスはさっさとガマが茂り始めた草むらへ入って行った。

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オスも甲高い啼声とドラミング、そして母衣打ちを行ってから草むらに隠れた。このガマの生える湿地の向こうにはFブロックと名付けている耕作放棄地のヨシ原が在る。先日2羽のメスとオスがいた場所の近くだ。営巣場所に違いない。

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キジが餌探しをするテリトリーの広さはどれくらいなんだろうか。田んぼに水が入り田植えが行われるとしばらくの間は餌探しの場所は随分と限られるだろう。このペアもまだ水の入っていない遠くまで餌探しに来ていたようだ。田んぼが完全に水田化すると飛べば80mほどですむ距離を500m以上も餌探しのため歩かねばならないのだ。遠廻りして縄張りへ帰る夫婦連れを見ていて、キジは何故飛ぶことを苦手にするようになったのだろうか、そんなことを考えていた。

 

佐藤洋一郎著「稲の日本史」「イネの文明」の2冊を図書館に予約した。