小さな漁港にて

予約していた本が用意できましたというメールを貰っていたので久しぶりに図書館へ行く。借り出した本は、安田喜憲著「森の日本文明史」・古今書院。市の図書館に無かったので県立図書館から借り出してもらっていたのだ。

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総ページ数399ページ、借り出し期間は3週間、読書スピードの落ちた老爺はこの期日で読み終えられるだろうか。

図書館からの帰りは小さな漁港に立ち寄る。

陽射しは暖かく車載温度計は15℃を示していたが、北からの比良颪が吹き付けてくるとやはり寒い。そんな寒さの中、漁港に繋がれた船の上にアオサギコサギがいた。風の当たらない船べりで日向ぼこしている感じの2羽だ。

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漁港に来る釣り人などとの出会いが多いのだろう、随分人馴れしている2羽だ。手の届きそうな距離まで接近しても飛び立つことはなかった。

日向ぼこと言えばカメも沈船の縁で日向ぼこしていた。コヤツはこちらの影に気付くなり水中に滑り降りた。

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コイツにレンズを向けていた時不意に「盲亀浮木」という言葉がよぎる。仏教の経典に出てくる言葉だったと思いながら、その意味する喩えが正確に思い出せなにのだ。最近とみにこんな思い出せないことが多くなっている。

老いが進むにつれいろんなものを忘れていく、いろんなものが思い出せなくなる。もしかしたらこれは老いる身にとって有り難い事なのかもしれない。いろんなしがらみから解き放たれ身軽になれるのだから、そんなふうに思ったりしている。