カマキリの死

道路際の犬走りにカマキリが横たわっているのを見る。
死んでから長い時間が経過しているとは思えない個体だ。
まだ生きていた頃の色艶が残っている。

今朝は見掛けなかった。
なにかの拍子にすぐ上の木蔦からでも落ちたのだろうか。

カマキリの腹部は随分と膨らんでいる、寄生虫ハリガネムシでも潜んでいるのだろうか。
本来なら片付けるところだが人に踏まれる心配のない場所だ、その後の様子も見たいと思いそのままにしておいた。
カマキリの風葬だ、干乾びていくのだろうか、それとも鳥にでも啄まれるのだろうか。
ハリガネムシの存在を確認するとすれば水を掛けてみるのも面白いかもしれない。
死んでもなお攻撃姿勢をとっているカマキリの姿を覗き込みながらいろんなことを考えていた。

  宿までかまきりついてきたか    山頭火