モズの早贄

陽射しは明るいが風は冷たく、時に時雨が通り過ぎて行く。
比良連山の麓から立ち上がるような大きな虹も見られた。
カミサンに頼まれて孫娘にケーキを届けた折 庭先の植え込みでモズの早贄を見付ける。
木の枝の奥に隠されるようにカマキリが突き刺されていた、干乾びきっていないところから見るに、モズが贄を作ってからそれほど時間が経っていないように思える。

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モズの早贄といえば思い出す光景がある。
初冬の朽木(高島市)のある集落の外れで見た贄の意外な光景だ。
獣除けの錆びた有刺鉄線に、1m位の間隔を空けてトカゲ、コオロギ、イナゴが刺さっていたのだ。
トカゲは贄にされてから随分時間が経っているようでカラカラに干乾びて小さくなっていたが、コオロギは突き刺されたばかりではと思える新しい個体だった。
モズの忘れ物だろうが、3体の早贄が並んでいることに奇妙なものを感じていた。
フイルム時代、ミノルタのα7を使っていた頃だから遠い昔だが印象深かっただけに鮮明に覚えている。

寒さが深くなる前に一度朽木の奥へ行きたいものだ。