ケリを追いかけて(2)

久しぶりに重いヤツを持ち出し田植えの準備が始まっている田圃道を歩く。
買い物帰りの道すがら一瞬だがケリの飛ぶのを見て、家へ着くなりケリを追いかけてみようと150-600mm望遠ズームを持ちだした。
持ちだしてはみたが、虫撮り用の100mmマクロや17-70mm広角ズームが手に馴染んできている今ではその重さに辟易していた。

田起こしのまだ始まっていない田圃では、ツグミムクドリアオサギ、ドバトの小集団、ヒバリなどを見掛けるものの、目的のケリは見つからないのだ。
ケリを探して小半時も足場の悪い田圃道を歩く。
その重さに息切れして立ち止まった時、ケリッ、ケリッ、ケケケッ、ケケケッという啼き声を耳にし、ケリの姿を田圃の中で見付けた。


ケリはつがいだろうか、連れ添うように2羽いた。

田圃の畦道から近づきにかかると飛び立ち、威嚇するようにこちらに向かって来ては飛び去る。
欲しいケリの飛翔シーンだが、正面から頭上に来るケリの姿を追い切れないのだ。
ケリは抱卵か子育てでもしているのだろうか、先回見た時のように遠くまで飛び去ることはない。
ソロリソロリと少しだけ近づく、ケリは甲高い警告の啼き声を立てながら飛び上がってくる。
こんなことを時間をおいて数度繰り返した、ピンぼけやフレームから半分切れた姿、近づいてくるヤツをズームダウンしながら狙う、そんな芸当はとてもじゃないが出来ない。

やっと撮れたのは着地の後ろ姿1ショット。

遠くまで飛び去ることがないから粘れば頭上に来るケリの姿を狙えただろうが、抱卵しているかもしれないケリに無用のストレスを与えるのもよくないと思い、本日はこれまでとした。

飛翔撮りの練習を積まねば欲しいものは手に入らないですよ、またも誰かが囁いていた。
老躯ますます忙しくなる、呆け暮らし回避が出来そうだ。