グミの花

夕方の散歩の折Oさん宅の庭先でグミの花が満開なのを見る。


この花の実が赤く熟したらOさんにお願いして分けて貰おう、そんなことを考えながらファインダーを覗いていた。
グミ、長い間口にしたことのない木の実だ。
完熟した実は甘くて美味かった。
熟れ切っていない実は渋みを少し残していたが、空腹な少年は完熟するのが待ちきれず口にしていたものだ。
少年の頃は「しゃしゃぶ」と呼んでいた。

しゃしゃぶの花の他、少年の頃の記憶と結びついた花は桃、あんず、ナシ、柿、栗、リンゴなどだ。
考えてみれば全てが空きっ腹を満たすことと結びついている。
そら豆の花もエンドウの花も、落花生の花もトマトの花も、キュリもナスの花も鮮やかに思い出す。
空きっ腹を抱えていた少年の頃の日々が懐かしい。