ネコハエトリ

雲間から陽がさすこともあったが、突然の激しい通り雨や遠雷の響き、突風などと変な一日だった。
すっきりした青空が見たいそんなことを思いながら、今日も終日書斎に閉じ込められていた。

呆け防止用にと、青空文庫の中から中島敦の「李陵」「山月記」を見つけ出しKindleに取り込む。
この他、「万葉秀歌」斎藤茂吉、「死者の書折口信夫、「高瀬舟森鴎外なども取り込んだ。
青空文庫などの無料の電子書籍が豊富になっているお陰で、読みたくなった本が手軽に読めるようになり、閑居して不善を為すことが少なくなっている。

雨の止み間に庭に出る、気分転換のための虫探しだ。
見付けたのは柚子の木にいたネコハエトリだけだった。暫く見ていた。


誰かのブログで、ネコハエトリの貌の超アップを見たことがある。
貌のアップには驚かないが、ハエトリグモの眼の中に撮影者の姿が写り込んでいるのが見て取れ、これにはおっ!と思わされた。そんなシーンを撮りたくなっていた。

昆虫写真家今森光彦さんの作品にも、トノサマガエルをアップで撮り、その眼の中に打ち上げ花火が写り込んでいる傑作がある。どんな撮り方をしたのだろうか、この作品を見るたびにさまざまなことを想像していた。

蛙の目に映り込む打ち上げ花火など千載一遇の好機があったとしても撮れないだろうが、ハエトリグモの眼に映り込むものは撮れるかもしれない。
ボケ防止のためにも挑戦ですよ、自分に言い聞かせていた。

* カエルの眼に映り込んだ打ち上げ花火のシーンは、今森光彦さんが撮影協力しているNHKスペシャル「映像詩 里山・命めぐる水辺」のものでした。訂正します。