晴撮雨読

春分の日だというのに冬に逆戻りしたような一日だった。
雲の流れによっては明るい陽射しがさし風花が舞う、雲が厚くなると氷雨になり、時には叩きつけるように冷たい雨混じりの突風が吹き荒れる。

リタイアして以来ボケ防止のために晴撮雨読とCookingを自分に課しているが、此処のところ晴撮雨読の課題を放り出した感じで呆けているのだ。
せめて寒い日の雨読をと思い、Cooking担当の日の材料を買った後、本屋さんに立ち寄った。
司馬遼太郎さんの「街道をゆく」(阿波紀行、紀ノ川流域)とフォトコン4月号を求める。

帰りの車の中で、「街道をゆく」を買ったがもしかしたら既に手持ちしているのではないだろうかと思い始める。
これまでにも既に持っているのに重複して買った事が何度かあるのだ。
塩野七生さんの「ローマ人の物語」でも宮城谷昌光さんの作品でも、重複して買った事がある。
ボケが始まっているのじゃないの、と自嘲したものだ。
書棚に押しこんである「街道をゆく」26冊の中に今回の(阿波紀行)は無かった。
無かったということでホッとする、奇妙な安堵感だった。

フォトコンを見る。月日と共に痩せ細ってゆく感性が少しは救われるように感じられた。