虹を見た

買い物に行った帰り道、琵琶湖の上に懸かる大きな虹を見た。
色鮮やかでは無かったが素晴らしい大きさだ、しかも二重になっているのだ。
時雨れることが多くなる季節に入ると虹の出現をよく見かけるが、これほど大きな虹を見たのはこれまでにも余り経験がない。
車の中から見続けていた。

もう随分昔のことだが、琵琶湖を跨ぐように懸かる見事な虹を一度だけ見たことがる。
ゴルフ仲間たちと福井へ向かう特急雷鳥の車窓から見たのだ。
「虹だ」という声に車内の人達は一斉に窓の外を見る、窓を開ける人もいたほどだ。
色鮮やかで巨大な円弧を描く虹はあっという間に車窓から見えなくなったが、素晴らしい虹を見た余韻のようなものが暫くの間残っていた。

この大きな虹を見たゴルフ仲間もその半数が既に彼岸に渡っている。
大きな虹の架け橋を見ることがあれば、その度に橋を渡って行った人達の事を思い出すことだろう。
諸行無常だ。

急いで帰り書斎の窓からレンズを突き出してみたが巨大な円弧は消えていた。