ドロバチと竹筒トラップ(2)

新聞を取りに玄関を出た時、電気温水器を格納した壁に吊るしている竹筒トラップからフタオビドロバチが飛び出してゆくのを目撃する。
午前七時五分、この時間が三〇秒速くても遅くても目撃には至らなかっただろう、瞬間の出逢いだ。
フタオビドロバチが再び帰ってくることを期待して、100mmマクロを持ち出す。

待つこと37分、フタオビドロバチが獲物を持って帰って来た。


獲物はドロバチと同じくらいの大きさだった。
この獲物を抱えて竹筒の穴に入る瞬間の飛翔体を狙って連射するが、タイミングが合わないのだ。
それに置きピンの位置が少しずれていたようだ。

後ずさりしてお尻の方から出て来たドロバチは再度獲物を持ち帰るか、育房の準備が完了していれば竹筒の穴を塞ぐ為に泥を運んでくるだろう。

そんなことを考えながら30分近く待っていたが雨が降り始める。
雨が大粒になり激しくなったので撮影継続を断念した。

二科会写真部滋賀支部展」の案内状を頂戴していたのでカミサンと観に行く。
北中實さんの作品「雨の神事」 鈴木きみ子さんの「麦」、写真の評価など出来ないが、何か気に掛かるものがあり暫くの間写真の前で立ち止まっていた。
カミサンにも一通り見てから見に戻った作品が三点あったようだ。

写真展から帰って竹筒トラップの様子を見ると、巣穴は完全に泥で密閉されていた。