アミメアリの獲物(2)

終日雨降り止まず。

雨の日の日課にしている読書にも集中できず呆け暮らしが始まりかけている。
「八千頌般若経」梶山雄一訳(中公文庫)などという難しいものに手を出すからですよ、そんなものは放り出しておいて、RAW現像や写真の整理をしたら如何ですか」
「それとも雨に打たれているフタモンアシナガバチの巣作りの様子を撮りに行きますか」
「それとも少し早いですが料理当番の準備を始めますか」
いろんな思いが交錯していたが、写真の整理をすることにした。


昨日(18日)朝の散歩に出かける時階段の一番下の段で、沢山のアミメアリが何かの幼虫に群がっているのを見付けた。危うく踏みつけそうになったのだ。
この幼虫が階段の擁壁に這うツタの葉裏の何処かにいたことは承知していた。
2・3日前から幼虫の糞がいくつも転がっていたのだ。
それが何かの拍子に転げ落ちアミメアリの餌食になったのだ。

写真に撮ったものをPC上で拡大して見るに、幼虫の体8ヶ所程がアミメアリに食い破られたのだろうか穴が開いている。
この穴から幼虫の躰の中に潜り込んだヤツもいるのだろう。

前日(17日)夕刻の階段掃除の時には見かけなかったから夜の間の出来事だろう。
アミメアリは夜間も活動するのだろうか。
 午前7時17分撮影

散歩から帰ってみると幼虫の姿は消えていた。
あれほど沢山群がっていたアミメアリの姿もない、残っているのは僅かなアリだけだ。
 午前8時09分撮影

沢山のアミメアリが群がっていたから幼虫の躰を食いちぎってキャンプに運んだのだろうか。
それとも雀などが持ち去ったのだろうか。

たかだか1時間弱の間にアミメアリが幼虫を全て処分してしまったとすれば驚くべきことだ。
これまでに何度もアミメアリが獲物を運ぶのを見ているが、これほど大きな獲物だったのは今回が始めてだ。

最後の最後まで見ることを思いつかなかった事が悔やまれる。
「狩蜂図鑑」(全国農村教育協会)の著者田仲義弘さんは、炎天下で2時間近くも狩蜂が巣に獲物を持って帰るのを待っていたという、そんな努力が無いと思いは達せられないのだ。

アミメアリの獲物、次回はどんな獲物だろうか、楽しみだ。