沈丁花

陽光の降り注ぐ明るい一日だつたが、昨日の気象予報のとおり「寒の戻り」で終日寒かった。
ことに比良颪が吹き荒れたりすると身をすくめるほどだった。
この強い風でスギ花粉の飛散量が非常に多くなっているのだろう、眼の痒みと鼻のグシャグシャ感が酷くなっている。
19日に宇治田原の梅林に出掛けた時には花粉症の症状は全く出なかったのに、今日は我慢できないほどの痒みと不愉快さを感じている。
不愉快さの一つにモノの匂いを嗅ぎ取れ無いまでに鼻が傷めつけられているのだ。


ご近所のIさん宅の生垣から満開の沈丁花が顔をだしているが、その側を通っても一向にその香りがしないのだ。
クチナシキンモクセイと並ぶ芳香の強い花木の一つだから、花を見ずともその在り処が判るのに、近寄ってもその匂いが判らないのだ。


この嗅覚の劣化は花粉症によるものだけだろうか、妙な不安が横切っていた。
あれが食いたいこれが喰いたい、歳老いても未だ食い意地が張っている老兵にとって、味覚の楽しみと同時に料理の匂いの楽しみがある。
もしもこの香りの楽しみが失くなったら.... 思うだけでゾッとする。