ヒサカキの匂い

久しぶりにPUKUさんと散歩に出掛けた時に、花粉症で傷めつけられていた嗅覚が戻っていることに気付いた。
一昨日は濃香な沈丁花の匂いを嗅ぎ取ることが出来ず嗅覚の劣化を大げさに心配していたが、今日は散歩の折の畑道でヒサカキのニオイを感じ取ったのだ。


嗅覚の回復を確認するのに、沈丁花の芳香ではなくヒサカキのニオイとは、そんな思いだった。
ヒサカキのニオイは匂いという字を当てはめるよりは臭いという字の方が正解だと思われるようなニオイ、プロパンガスのような臭いなのだ。
あまり愉快なニオイではない。
しかし、春先の山野でこの臭いを嗅ぐと確かに春が来ていることを感じる。
そして同時に必ず思い浮かべるのが春蘭も花開き始めているだろうということだ。
思い浮かべるのは、その花の可憐さを愛でるというよりも、春蘭のハカマを取り除いてから軽く湯通しし、梅酢と砂糖で甘酢を作り漬け込んで喰いたいからなのだ。

ヒサカキと春蘭、妙な取り合わせだがこの二つは私の中では一体になっている。

それにしてもヒサカキのこの臭いに誘われてやって来る虫はどんな虫なんだろうか。
Webで調べて見るに来ているのはハエの仲間などだとあるが、未だ見たことがないのだ。

この時期、花が咲いているのに虫が来ているのを見たことのない木がもう一つある。
ビワの木だ。


ビワの花は前年の11月半ばあたりから咲き始め今も咲いているのだ。
5ヶ月以上の長い花期を持つビワなのに虫の吸蜜する姿を一度も見たことがない。
風媒花ではないのかと思ったほどだ。

春蘭の甘酢漬けが喰いたい。