老樹無惨(2)

風車村(高島市)の近くの湖畔にあるあの有名な楊樹を撮りに行く。
楊樹と星の光跡、そんなプランだった。

この楊樹が湖畔に凛と立っていたのはいつ頃までだったのだろうか。
私のファイルでの立ち姿は2010年10月だ。

その他季節を違えたものが何枚かある。

この後に撮りに出掛けたのが2012年2月20日の早朝だった。
この時にはこの樹は根元から折れ無惨にも倒れていた。

折れた傷口を見るにこの楊樹は相当の老木に思えた。
戦場で敵弾に撃たれ、傷つき倒れながらそれでも起き上がろうと両手で大地を突いている老兵。こんなことをその時想像していただけに痛ましさを感じていた。
老樹無惨の思いだった。

この倒れ伏している老樹を組写真にしてみたい、そんなプランから出掛けたのだが思いは達せられなかった。

老樹の根元は2メートル近く波に侵食されて浜欠けしていた。

このため持参のレンズでは先の写真のように、近景に老樹を取り込むことが出来ないのだ。
10-17mm,12-24mm,15mm魚眼などを持参していればまだなんとかなっただろうに、これらを忘れているのだ、星景写真を撮りに行くのに広角レンズ不持参とは、我ながら呆れていた。
取り敢えずの一枚。

出直ししなくてはなるまい。