我儘な味覚(2)

美味いパンが焼けているだろうか。
昨夜仕込んでおいたパンのことが気になっていて午前7時前に目覚める。
マヌカ蜂蜜を入れて焼くパンは初めてなのでプロのレシピに忠実に従って準備したが、結果は自分好みのパンではなかった。

自分好みに焼くいつものパンにはたっぷり目のバターに卵や牛乳が入っているが、今回のレシピは小麦粉260g,小麦胚芽18g,マヌカ蜂蜜26g,塩5g、バター13g,水170cc,ドライイースト2.5gの素朴なパンだ。
本来ならリーンなパンの良さを噛み締めるといいのだが、ブリオッシュ風のパンを焼き続けてきた所為で、このパン固有の風味・良さを受け付けないのだ。
体のことを考えると、リッチなパンよりもバターも砂糖も極力控えた全粒パンや胚芽入りパン等のリーンなパンの方が良いのだろうが、我儘な味覚を抑え込むことが困難になっている。
胚芽と蜂蜜のパン、もう一工夫しなければなるまい。リーンなパンで美味いパンのために。

早起きしたものの寒さに震えていて雑木林行きは断念する。
久しぶりの慣れぬ早起きだ、10時過ぎから長い午睡をしてしまった。
目覚めてから、「農耕起源の人類史」(ピーター・ベルウッド著 京都大学学術出版会)を読み始める。

ジャレド・ダイアモンドの「文明崩壊」を読みながら、「文明の出発点」である農耕のことが気になり始めたのだ。
気に掛かる事が出始めると次から次へと連鎖してくる、気候変動の歴史と人間活動のことも調べることになりそうだ。