読書ノート(6)

午前6時過ぎに見た風景はいい天気の訪れを予感させる空模様だった。

しかしその後は晴れたり曇ったり粉雪が舞ったり、時には吃驚するような突風が吹き荒れたりと、めまぐるしく変わる天候の一日だった。
こんな日に堅田漁港などに行けばそれなりのシャッターチャンスがあるのでは、と思いながらもカメラを持ち出す踏ん切りがつかず書斎に閉じこもっていた。

現在「文明の崩壊」や「農耕起源の人類史」を読んでいる。
時にこれらを読むのに読み疲れるというか、集中力を失ってしまい字面を追うだけになってしまうことがある。こんな時は読書を中断して呆けているのが常だが、時には写真集を引っ張りだしてみたり、エッセイや短編小説を読むことがある。

今日も「農耕起源の人類史」を読み倦み、一昨日届いていた「地雷を踏む勇気」(小田嶋隆技術評論社)を手にする。
小田嶋さんのコラムは日経ビジネスオンラインの連載「ア・ピース・オブ・警句」で読んでいたが、気分転換用として買い求めていたのだ。
気分転換用などといえばオダジマさんに失礼かもしれないが、現代の世相を小気味良く腑分けし時には切り捨て、時には鋭い切り口で断罪してくれる、秀逸な読み物なのだ。

この本の冒頭の「隠しきれなくなった核抑止力」など鳥肌が立つほど面白かった。
論旨はまさに正論だと思うが毒気を含んでもいる。

先程まで粉雪の舞う空に満月に近い月が出ていたが、今は雪が降りしきっている。
明朝早起き出来れば裏山の竹林に潜り込んでみよう。