アミメアリの獲物

朝の散歩の折、ドクダミの葉の下でクビボソゴミムシを見つける。

少しずつ動いてる妙な動きが気になってしゃがみこんでよく見ると、クビボソゴミムシの死骸に十数匹のアミメアリが取り付いて引っ張っているのだ。

アミメアリには女王アリがおらず、成虫になってからあまり年齢の経っていない若い働きアリが産卵して繁殖するという。またアミメアリは決まった巣を持たず、エサを探して集団移動するという、同属の他のアリとは違った生態を持っているとのこと。

夕方五時頃の散歩の時に見た時にはクビボソゴミムシの死骸は消えていた。
それに朝の時にはアミメアリの行進も見られたがその姿も付近には見当たらなかった。

グミの実(子供の頃はこの実のことをシャシャブと呼んでいた)を見る。
麦秋の懐かしい光景の一つだ。

熟して赤黒くなり落果する直前の実の甘い味のことを思い出している。
甘味など簡単に手に入らなかった時代だったから、この甘味も記憶の底に残っているのだ。

少年時代の甘味の記憶の一つに、チガヤ(カヤに似たイネ科の多年草)の根を掘り出して噛みしめたこともある。僅かな甘味だったがこんな甘味を味わうのも楽しみの一つだった。

何かを見るとそれが過去に結びつく、老兵よ今日も過去を食っているのか。