越冬サナギ(2)

書斎に来たキアゲハの幼虫がサナギになる準備を始めた。

一昨日まで物凄い食欲でミツバを囓っていたので、一日に2度もミツバの葉を新しく交換しなければならなかったが、昨日は全く食欲がなく、午後8時頃には大量の体液を出して体が小さくなっていた。サナギになる前兆だと思い、足場用の枯れ枝を入れてやる。

今朝見るとその枯れ枝に掴まってサナギになる体勢をとっていた。

上手く行けば越冬サナギになり、春にはキアゲハの誕生が見られるかもしれない、楽しみだ。

夕方のPUKUさんとの散歩はいつものコースを外れて遠くまで行く。
その折路上で踏み潰されたカマキリの死骸を3体も見た、まさに秋が深まっているのだ。
陽溜りにいるカマキリの命も後どれくらいだろうか。

コオロギの声は弱々しく、代わりにモズの鳴き声が甲高い。

散歩道の途中にある小さな無住の寺報恩寺の境内のカリンの木は、今年も驚くほどの沢山の実をつけている。
この木は大木だったが2年前枝打ちされ幹も中程から切られて小ぶりなってしまった、それでも枝がしなるほどの実をつけているのだ。
もう10日もすれば熟れた実は落果し始めるだろう。

何年か前、この落果した実が境内の片隅に寄せ集められているのに出くわしたことがある。
半ば腐りかけた実も混じっていて甘い匂いを放っており、この匂いに誘われたのかキイロスズメバチが腐りかけた実を齧りに来ていた。
その年このキイロスズメバチを見たのがハチを見る最後だったように思う。