アリの思い出

玄関先のシロダモの木の根元にスズランが生えている。コヤツの株を植えたという記憶は無いが年々その株数を増やしているのだ。そのスズランの葉の上にガガンボがいるのを見付け、150-600mmを取り外したカメラに100mmマクロを装着して持ち出す。鳥撮り用の重いヤツよりも100mmマクロのほうが手になじむ感じだ。虫撮りは20数年、鳥撮りは6年程だから100mmマクロの感触がいいのも道理だろう。眼にしたキイロホソガガンボの交尾体はさほど珍しいものではないが、虫撮りに出かける回数が少なくなっているだけに妙に嬉しかったのだ。

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ガガンボを1ショットして腰を伸ばした時、シロダモの木漏れ日の枝に小さなアリを見付ける。体長2mmほどのアミメアリのようだ。

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この小さな小さなアリを見ていて10数年前の初夏の一コマを鮮やかに思い出していた。孫と二人で、空き地の擁壁の上を小さな蟻が行進していくのを眺めていたことがある。アリたちは白い卵を咥えていたり、草の実のようなものを咥えているヤツがいて、次から次に空き地の草むらから出てくるのだ。孫がちぎり取ったスカンポの茎で行列を払い飛ばしても払い飛ばしても、行進の列は途切れることがなかった。ジイジイ、おしっこ掛けてもいいかな、幼稚園年少組の孫がそんなことをいい出した時はおっ!となったことを覚えている。行列は空き地の擁壁から隣の住宅のフェンスの向こうまで続き見えなくなった。

こんな一夏のアリの事があってから、その後「蟻の自然誌」や「アリの巣のいきもの図鑑」を手に入れたことがるのを思い出し、書棚から引っ張り出した。いずれも栞はページの半ばに挟み込まれている。読了していないようだ。取り出したついでに読み直してみるか。

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* 「トビの獲物」の正体が気になりいろいろ調べてみたが解らずじまいだ。