ナラ枯れの里山

6時過ぎに目を覚ました時窓の外はうっすらと雪が積もっていた。
昨日の呆けていた時間を取り戻すつもりで裏山へカメラを持ち込むことにした。
里山の雪景色と思っていたのだが薄雪では切り撮るのに苦労する。

この裏山に入らなくなって随分時間が経過していることに思い当たった。
ミズナラやコナラ、アベマキの木々を見上げると、それは落葉しているのではなく、枯死しているのだ。

カシノナガキクイムシが山々を荒らしていることは承知していたが、これほどの被害が裏山の雑木林に広がっているとは思ってもいなかった。

この雑木林は利用されることもなく長い間放置されていたから、ミズナラやコナラ、アベマキは大木になっており若木はほとんど見ることがなかった。そのことがカシノナガキクイムシの繁殖を一層促進させたのだろう。

目につく木々がすべて枯死しているとは、なんとも言えず寂しいかぎりだ。

何時だったか春蘭の花をその根元で撮った大きなミズナラも今は見る影もない。
このミズナラの巨木はカシノナガキクイムシに侵されてかなりの時間が経っているのだろう、体に気味の悪いキノコを着けていた。

それに根元からは春蘭の大きな株も消えていた。
一握ほども採った春蘭の花を梅酢に漬けて喰ったことも遠い風景になってしまった。