オオスズメバチ

段々畑や雑木林の中を歩いてみたが、昨日と異り虫たちを見ることはほとんどなかった。
レンズを向けたのは、アベマキの太い幹の上を歩き回っているオオスズメバチだけだった。

オオスズメバチは何かを探しているのだろうか、幹の上を登ったり下ったり、1ヶ所にしばらく留まったりを繰り返しているのだ。

1匹だけのオオスズメバチ、10月も半ばを過ぎたこの時季だ、もしやコヤツは交尾を終えた女王蜂ではなかろうか、そんな思いからオオスズメバチの動きを見続けていた。

朝夕の冷え込みが厳しくなり始めると、働き蜂はその命を終え、巣は放棄されて終わりを迎える、そして生き残った女王蜂は越冬するための場所を探すのだ。

今年は老躯の行動範囲が随分と狭くなっていたこともあり、オオスズメバチとの出会いは例年に比べて極端に少なかったことなど、いろんなことを思い出しながら、眼の前のオオスズメバチに眼を凝らしていた。

小半時ほど経ってオオスズメバチはゆっくりと幹を下り、アベマキの根元の落ち葉の下に潜り込んでいく、それを見届けてから腰を上げた。

遠回りした帰り道、Kさんのお宅の庭先で綿の実が弾けコットンボール出ているのを見る。


秋日好天、好日だった。