イラガの繭(3)

今津町深清水の柿畑へ行って来た。
近江舞子付近では殆ど雪を見なかったが新旭を過ぎ今津町に入るころから田圃は一面の雪景色に変わった。
深清水の柿畑の雪は昨夜からのマイナス気温の所為か、硬く締まった雪だったので、柿畑を歩き廻るには良い条件だった。

雪の残る柿畑を撮るにはやはり日の出前の一刻狙いだと思いながらも三脚を据えていた。

目的の一つのイラガの繭を探していたが全く見つけられずだ、それにミノムシ(オオミノガ)の姿も見つけることは出来なかった。

柿の剪定作業を始めようとしている人がいたので、話しかけてみた。
気さくな人だったから、剪定の仕方や最もいい時期、また柿の枝のどの部分を残すのか、摘花や摘果の時の注意点など、柿作りの苦労を丁寧に話してくれた。

イラガの繭のことも尋ねてみた。
最初は怪訝そうな様子だったが、イラガの繭とイラガの繭に産み付けられた寄生蜂イラガセイボウの羽化を撮りたい為にイラガの繭を探している旨告げると、柿生産農家の柿畑ではまず無理だよと言われた。
確かに病害虫防除の消毒作業は徹底して行われているのだ。

イラガの繭を集めるとすれば柿畑ではなく、農家の庭先の柿の木や放棄された棚田の土手にある柿の木を探してみるといいよ、等と言われそんな柿の木のある場所を親切にも教えてくれた。
別れ際に頭を下げると、頑張って探せよというように微笑んでくれた。