ドロバチの幼虫

散歩の途次、コンクリート製の電柱の穴にドロバチが産室を作っているのを見つけたのは、昨年の秋半ばだった。

今日その産室の最初の土壁を壊してみた。
産室の壁は赤土とその内側に弾力性のある黒っぽいゴム状の物質で出来ていた。
そして幼虫が一匹いた。

電柱の穴を木の枝を使って探ってみるに、掘り出したのは第一室で穴の中にはまだ幾つかの産室があるような感触だった。
穴は背丈ほどの高さにあるので、穴の中を覗き込むには脚立と懐中電灯が必要なのだ。

この産室がもしもオオフタオビドロバチの巣だったら一室だけということはなかろうと思い、それ以上壊すのは中止し、第一室にいた幼虫には書斎の飼育箱に来てもらうことにした。

同じようなドロバチの産室が玄関の扉のドアスコープにも造られている。
夏に網戸をして玄関を開け放っておくと、よくドロバチの仲間がやってきてはドアスコープの穴に巣作りを始めることがある。

現在の産室がいつ頃造られたのかは残念ながら定かではないが綺麗な土壁だ、造られたのは秋の半ばだろうか。
春になればこのドアスコープの産室からもスズバチが飛び出してくるだろう、楽しみだ。