ビワの花

比良颪が吹き抜ける小さな谷間の畑にビワの花が咲いているのを見つけた。
ビワの花期は11月から2月初めくらいまでだというから、最後の花かもしれない。
リンゴや桃などの華やかさを感じさせる花と違って白い地味な花だが、寒空に咲いているだけにどこか愛おしささえ感じさせる。

ビワの受粉は本来は昆虫に頼ると聞いているが、この時期どんな昆虫がこの花にやって来るのだろうか。ハエの類なんだろうか。今までに見たことがない。

それにビワの木は比較的寒さには強いといわれているが、花や蕾はどうなんだろうか。
今夜から雪になり明日の最低気温はマイナス2度近くになる予報だ、花も蕾も雪を被り凍結してしまえば枯れてしまうんだろうか。
さまざまな気象条件に対応するために他の果樹と違って3ヶ月近い花期を持っているのだろうか。
いろんな事を想像しながら吹きっ晒しの谷間の土手に暫く居た。
寒いといって一日中書斎に閉じ込もつている老兵にはこんな時間も必要だ。

谷間から見上げると頭の真上に10日夜の月が輝いていた。