梅の蕾

時折出掛ける棚田の斜面にある梅の老木に僅かだが蕾が付いているのを見付ける。
蕾は未だ硬い。


棚田に人の手が入り、いろんな作物が植えられていた頃は、この梅の木も剪定などがきちんと行われていたから、蕾の数も多く、大粒の実を付けていたが、棚田が放棄されて10年以上経つ今では蕾も僅かになっている。
それに梅の実も随分と小粒になっている。

比良山麓の或る棚田の一角に在る梅の木を、花の頃、定点観測するように長い間撮ってきたが、その梅の木も今ではもう撮ることが出来ない。
出来ないというよりも撮りたくないのだ。
此処も棚田が放棄されると同時に梅の木も手入れされなくなったから、ほんの僅かな花しか付けないのだ。
営々と続けられてきた棚田が荒れ果てているのを見るのは何とも無惨だ。
悲しくなる。

「アベノミックス」に隠れて、TPPの話題が報じられることが殆ど無くなったが、棚田の荒廃はこれからも止むことなく続くのだろうか。