ムラサキツバメ死す

冷たい雨が終日降ったり止んだりしている。
書斎に来たムラサキツバメは飛ぶこともなく逝ってしまった。
書斎の中を鮮やかな紫色の翅で飛ぶ姿を見たかったがそれもならず、僅か3日の生命だった。

小さな命の終りを擬人化して何かを感じるほどの詩心は持ち合わせてはいないが、妙に旅に出たくなっている。元気なうちに行きたいところに行かなくちゃ、そんな思いだ。

先日TVで見た「写真家たちの日本紀行」・野町和嘉さんの「豊後・大分 石が見つめた祈りの風景」、あの風景を見てみたくなっている。
随分前から国東や臼杵の磨崖仏を見てみたいと思っていたし、平戸、天草それに5島列島へ渡ってみたいと思っていた。
ムラサキツバメの死という小さな小さな引き金だが、飛べるうちに飛ぼう。

昨日庭の柚子の木にアゲハの卵を一つ見つけた。

真珠のように輝いている、これは生命の始まりだ。