スズバチの巣解体(1)

スズバチが第一室を造ったのは8月28日、最終的には産室を10室まで造り上げた。
1室を造るごとに何かの幼虫を産室に運び込み卵を産み付け、丁寧に土で蓋をした。
10室までこの行動の繰り返しだ。

第1室での産卵からほぼ1ヶ月近くなるが、産室の外観に全く変化が見当たらない。
もう何らかの変化の兆候があってもよさそうなのだが。
変化のないことが気になり、産室の一部を解体してみることにする。

スズバチが何重にも塗り重ねた産室の土壁は予想通り硬い。
千枚通しとラジオペンチを使って土壁を壊し、遺跡を発掘する考古学者のように筆を使って土を取り除く。

第1室からは5mmほどの抜け殻が7個と5mmほどの成虫の死骸が1体出てくる。
第2室からは抜け殻だけ。
産室の土壁には生まれた成虫が飛び出す為の穴は見当たらないのに、抜け殻だけが残っているのは何を意味すのだろうか。
それに産室の土壁の厚さは見た目、7〜8mmはある。

第3室まで掘り進んだ時、白い幼虫を見つける。

慎重に作業を進めてきたつもりだが壁を壊す時に傷つけてしまった。

オオセイボウが土壁を齧り穴を開け、卵を産み付けたのは第2室辺りだったから、この幼虫はスズバチのそれに違いないと思い作業を中止した。

もう暫らく様子をみることにする。
ラジオペンチを使わなければならないようなこの硬い土壁に開けられる穴を見たいものだ。