晩秋の棚田道で見た虫たち

比良連山の南端、権現山の麓の棚田へ出掛ける。10年一昔と言うが、四季折々にこの棚田へ虫撮りや農作業の光景を撮りにやって来ていたのは、二昔も前ということになる。想像していた以上に、耕作放棄された田んぼが増えている。定点観測的に訪ねていた農事小屋への道は背の高い笹薮が覆っていて、そこへ通じる道の姿は消えてしまっていた。老夫婦が手押しのトラクターで田植えの準備をしていた田んぼも、藪とその上に覆いかぶさっている葛で原野に還っていた。昔のことを思い出しながら棚田道を歩く。

棚田道で見た虫たち。赤トンボ、トノサマバッタモンキチョウアカタテハ

棚田道での上り下りは老爺には相当に厳しい道行だった。何度も何度も休憩だ。3時間近く棚田にいたが、南東斜面の土手道に持参のシートを広げ座り込んでいた時間の方が長かった。

来る途中の道の駅で買ったサンドイッチやアップルパイを食べながら眼下の琵琶湖を眺めていた。人っ子一人いない棚田だ、広げたシートの上で昼寝がしたかった。

秋日好天、いい一日だった。