老爺とコガタスズメバチ

階段の上り下りの時手摺を持つようになったのはいつの頃からだろうか。下り階段を踏み外しそうになったことがあり、それ以来用心深くなっているのだ。午後3時過ぎ、細かい日照り雨の降る中、買い物帰りの重い荷物を手摺に掴まりながら体を引き上げようにして運び上げていて、階段にコガタスズメバチがいるのを見つけた。どうも様子がおかしいのだ。よろよろという感じでゆっくりと這っている。秋のハチ、命も終わりに近づいた老蜂だろう。荷物を急いで玄関の庇の下まで運び上げ、バックにいつも忍ばせているコンデジcasioのEX-10を引っ張り出した。

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日照り雨からカメラを守るため愛用の赤いキャップを脱いでカメラに被せるようにして撮る。盛時のコガタスズメバチだったら危なくてとても近づけない至近距離までEX-10のレンズを近づける。よろよろと動いていた老蜂もやはりスズメバチの仲間だ、限界を越えて近寄るなと思える動作、頭を上げて威嚇の様子を見せた。

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そう云えば今季は、ITOUさんの菜園のイチジクでもAさんの畑のイチジクの木でも、熟したイチジクの実を噛りに来るスズメバチを見かけることがなかった。スズメバチたちが採餌に来なかったというよりも、スズメバチの採餌の様子を撮りに出掛ける回数が2・3年前と比べると極端に少なかったから見るチャンスが無かったのだ。

老い、老いはどこまで虫撮りの行動範囲を狭めるのだろうか。