里芋の葉にくっついていたアブラゼミの抜け殻

ITOUさんの菜園に足を踏み入れた時は、風があったから暑さをさほどに感じなかったが、風がそよともしなくなると湿度の高い暑さが襲ってくる。イチジクの葉にいるキボシカミキリを見つけカメラを構えてからほんの僅かな間だったが、上半身がじっとりと汗ばむ。なんとも嫌な感触だ。一脚を持参していればキボシカミキリにレンズを向け続けていただろうに、手持ちでは時間稼ぎもならず飛翔シーンは諦める。イチジクの葉っぱをコンコンと軽く叩けば、コヤツは下に転げ落ちるか翔び立つ。そんな瞬間を一ショット出来るのだが手持ちカメラの一人ではどうしようもない。

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菜園の真ん中あたりの里芋の葉にアブラゼミの抜け殻がくっついているのを見つける。

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何処から里芋の葉に来たのだろうか。Uさんの庭のセイヨウニンジンボクからだろうか。セイヨウニンジンボクの根元は蝉の幼虫の住処、昨年はこの木で20個近い抜け殻を見ている。この木の根元から這い出したヤツが里芋までやって来たとすれば、トマトやナス、空芯菜などの畝を越えて来たことになる。直線距離で12・3mはある。それに道中は草だらけなのだ。野を越え山を超えトコトコと目的の羽化の場所までやって来、時間をかけて羽化し飛び立っていく、そんなアブラゼミの一連の行動を撮った絵本作家がいたら、どんな物語を紡ぎ出すのだろうか。こんなことを思い浮かべていた。

セイヨウニンジンボクにチョウの姿はなかった。名前の思い出せない黒いハチがいた。

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昆虫図鑑で同定する作業をしなければならないのだが、老爺は面倒くさくなっている。

いつでも手に取れるようにと10冊ほどの本が書棚の前面に並んでいる。この中に絵本画家甲斐信枝さんのエッセイ「あしなが蜂と暮らした夏」がある。絵本画家が90歳の時に執筆した本なのだ。描写力の優れた爽やかな文章がつづいている。時折、手にしている。思うに、お前さんは甲斐さんが執筆した年まで7年もあるのだ、万事億劫だと感じるようでは、いよいよ呆けが本物になるぞ。そんなことを思いながらこのブログを書いている。明日はどんな一日になることやら。