キジが翔ぶ

田植えが終わった後、田植え機が植え残した田んぼの角や畦沿いの箇所に人の手で補植が行われる。反収を少しでも上げるための作業なのだ。腰をかがめ這いつくばるようにしてのこの作業は相当に厳しいに違いない。そんな補植作業を行っている老農婦をしばらく眺めていた。朝の挨拶などで声をかけるとはにかむような笑顔をみせ、小声で挨拶を返してくれる人だった。

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老農婦を1ショットした後Eブロックの草むらからキジの啼声が上がるのを聞く。たて続けに2度の啼声、何事やあらんと急いだ。

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姿は見られないがどうも近くにメスがいるようだ。直感は当たっていた。焼け野の草むらから1段下の畦道にメスが飛び出してきた。

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直ぐ近くに老カメラマンがいたのに驚いたのか一瞬の間合いをおいてメスが翔んだ。

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田んぼ2区画分50mほど翔ぶも老爺は追い切れないのだ。10連射のショットだったが全てぶれぶれ。見るも無残なコマが続いていた。この後オスも続いて翔ぶがファインダーを覗くことさえ出来ないのだ。寂しくなっていた。

キジが採餌するために行動する範囲はどれくらいの大きさなんだろうか。そんなことを考えさせられる状況を見る。2時間ほどフィールドにいた間に、水田の上を翔び草むらに姿を消した夫婦連れをあちこちで見かけたのだ。確とした識別は出来ないが同一個体と思われるヤツだった。

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