天人五衰

天人五衰」という言葉が何かの拍子にふいと頭をよぎることがる。今日も午前11時前午睡から目覚めた時、完全に目覚めきらない頭の中をこの言葉がよぎっていったのだ。朝の日課を終えてコーヒーを淹れ新聞を読んでいたが、物凄い睡魔に襲われこっくりこっくりする。椅子にもたれてのうたた寝だったから転げ落ちそうになり、寝るのならばと、未だ片付けられずにいる炬燵に潜り込んでしまっていたのだ。

天人五衰」というこの言葉が無意識の中に何故突然現れてきたのか、自分でもよく解らない。耳が遠くなったとか、視力が落ちたとか、つまずきやすくなったとか、ブログを書いていてあることを表現するための適切な言葉が思い浮かばないとか、等などの五感劣化(六感劣化)を突きつけられた時にこの言葉を想起していた。そして五感の劣化を感じるたびに”天人五衰いわんや人においておや”と自分を慰めていたのだ。

今日はヒナを連れたキジの家族を探しに出かける予定だったが長い午睡のため断念。呆け暮らしが始まりそうなのを避けるために読書に専念することにした。「稲の日本史」を読み終えたので「イネの文明」佐藤洋一郎PHP新書)に取り掛かる。

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第1章文明から排除されたイネ、古代文明と食料、この書き出しからとても面白い文書が続くのだ。読書の楽しみを予感していた。しかし、5ページほど読んだ時この楽しみを損ねる嫌なものを眼にした。ページのあちこちに鉛筆で線が引かれているのだ。しかも乱雑な引かれ方だ。ページをめくって見るにその乱暴な線引は何ページにもわたっているのだ。先に読んだ人は公共の書籍を傷つける行為をなんの躊躇いもなくおこなっているのだ、その神経が疑われて無性に悲しくなった。読書の邪魔をするこの線引を消すことにし消しゴムを取り出した。

 

(昨日の撮影)

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 明日は雨の一日のようだ。書斎の片付けもやらなくては。