煌めくクモの糸

小さな谷間を越えた向うの段々畑の斜面では茶の花が最盛期を迎えている。

お茶の生産農家ではいい茶葉を収穫するため茶の花は摘み取ってしまうようだが、この畑のお茶の木は茶葉を採ることもなく何年も放置された状態だ。
昨年秋の花の実が今もこぼれ落ちずに木に残っている、手入れされなかった証だろう。

茶の木の近くでクモのシルエットと煌めくクモの糸を見付け、一苦労しながら斜面を上る、光の関係から斜面の途中でファインダーを覗かなければならないのだ、老躯にはひどく難渋だった。

段々畑の一角で、お茶の花の咲くこの時季に意外なものを見つけ驚く。
ツクシだ。春先のツクシをこの時季見掛けるとは、それも点々と貌を出しているのだ。

今日は驚くことがもう一つある、午後8時過ぎ台所のガラス窓にヤモリが来ていたのだ。
寒空の中のヤモリの出現、季節外れと思われるだけにえっ!という驚きで眺めていた。