キジを追いかけて(2)

田起こしや代掻きのトラクターがあちこちに見られる、田植の準備が今真っ盛りなのだ。
水の張られた田圃が増えている、そんなことから耕作放棄田が島のようになり始めた。
耕作放棄された田が水田の中に点在しているお陰で、ここは絶好の鳥撮りの場所になっている。
今日もそんな島の一つを目指して水の滲み出した田圃道を歩いた。

キジを見掛け2時間近く追いかけた。


キジのオスメスともに翔び立つことは無く、小走りに動き廻る、その動きが何とも速いのだ。
足早に動きながらひょいと畦道の向うや背の高い草叢に身を沈める、次に姿を見せる時は思いもしない遠方の畦道だったりすることもあった。
また地味な翅のメスを土塊の畝の中で一度見失うと見つけ出すのは容易ではなかった。

キジの夫婦が草叢に姿を隠して10分近く再び現れるのを待ったが姿を見せることはなかった。
見つけたのははるか遠くのトラクターが代掻きしている田圃の前だった。

田圃3枚分も先なのに驚く、まるで忍者のような動きだ。
近づきかけると草叢の向うに隠れ再び見ることはなかった。
これを最後のショットにして帰途につく。