母衣打ち(2)

恋の季節のたけなわなのだ、田圃道を巡っていて、耕作放棄地の枯れたヨシ原から発せられる勇壮なキジの啼き声を何度も聞く。
これまでにキジのオスを視認したのは2羽だったが、時を置いて啼く方角からするに、3羽いるように思われる。
昨年は同時に3羽を確認している、今季も3羽はいるに違いない。

Cエリアの畦道に甲高い啼き声を発するヤツを見付け、背を屈めて近づき3脚を据えた。


昨日見たAエリアのオスはメスを同伴だったがコイツは未だ同伴者がいないのだろう.
メスに呼びかけなければならないのだ。
そのための甲高い啼き声と豪快なドラミング・母衣打ち、間をおかずに2度も繰り返した。

キジの社会は一夫多妻というか、メスが複数のオスの縄張りを次々廻り気に入ったオスと交尾する乱婚型だと聞いている。
メスに気に入られるため母衣打ちや甲高い啼き声が必須なのだ。
豪快なディスプレイを終えた後静かに草叢に入っていったコイツは、目的を成就できるだろうか。
畦道を歩く雛の姿や子連れで歩く様子を見たいものだ、今年は思いが叶うだろうか。

陽光は強かったが好日だった、呆けずに済んだ。