氷雨に追われて

雲の流れによっては驚くほど明るい陽射しが雲間から落ちてくる、時にはポツリと小雨も来る、そんな不順な天候だったが鳥撮りに出掛ける。
今日は鳥探しのつもりもあって双眼鏡(Vixen NewForesta HR10x50wp)も持出した。
いつもは荷物が増えることを嫌って持ち出すこともない双眼鏡だが、冬枯れの田圃の中に点在する耕作放棄田の草叢などを覗き込んで見ようと思ったのだ。
ツグミムクドリ、アトリ、ジョウビタキキジバト、スズメなどを見る。
雪の消えた田圃道ではトビの休憩する姿を見る。


ケリの姿を探したが見掛けずだった。

湖岸沿いの田圃道を走っていてキジを見掛け急ブレーキを踏む。
長いヤツを持出し背の高い枯れ草の茂みに走り込むキジの後を追いかける。
キジのオス、若鳥のようだ、枯れ草の茂みから開けた田圃に出てくれればいいのだが、草叢伝いに動き回るのだ、驚かさないようにとそっと後をつけるも間合いを詰めるのは容易ではない。
しかも運の悪いことに、一天にわかにかき曇りと大袈裟な言いになるように突然暗くなり大粒の氷雨が叩きつけてくるのだ、1ショットするのがやっとだった。

氷雨の不意打ちを喰わなければキジの後を追いかけ続けただろうに、折角のチャンスも叩きつけてくる雨脚ではどうしょうもない。
長いヤツをダウンジャケットの下に抱え込み車へ急ぐ、30メートル程の距離だが泥濘みのある畦道だ、老躯は走ることもならずお陰でずぶ濡れになった。
氷雨に追われて逃げ帰る、これも鳥撮りの一コマですよ、老躯を慰めていた。