午前10時すぎ、明るい陽射しだったので鳥撮りに出掛けようとしたが、玄関を出た途端小雨混じりの突風に見舞われる。出鼻をいきなりガッンとやられた感じで戦意喪失、鳥撮りは断念する。

雨の日は雨を聴く、そんな心境にもなれずだ。呆け暮らしが始まりそうだったので、トランプの「メキシコ国境の壁」ならぬ、養老孟司さんの「バカの壁」を書棚から引っ張り出す。
トランプの政策に反対する人支持する人、彼らの行動の一端を理解するのに「バカの壁」が面白いのではないかと思い読むことにしたのだ。


「壁」といえば思い出す事がある。
旧い知人のKさんが同人誌に載せていた「壁」という短編小説のことだ。
随分昔に読んだことだから詳しくは思い出せないが、僕という主人公が仲間3人と収容されていた少年院を脱走し、捕まる直前に事故死するまでの一週間ほどの間の仲間割れやそれに伴う僕の心の葛藤を描いた作品、「文學界」の同人誌評欄に取り上げられたこともあったようだ。

何かを切っ掛けに過去のことをよく思い出す、時には半世紀も前の事柄も在る。
思い出す人達の大半は故人、Kさんも故人だがいつ頃逝ったのか思い出せないのだ。


先日撮ったアトリの飛翔