アゲハは盗蜜(穿孔盗蜜)するか

谷間の畑の一角にあるニラの小群落でチョウ達を追いかけていて、意外な光景を見掛ける。
ヒルザキツキミソウ(北米原産の帰化植物)の花に来ているキアゲハの様子が可怪しいのだ。、
まるでクモにでも捉まりそこから逃げ出そうとしているような、バタバタ、バタバタという感じの羽ばたきを繰り返しているのだ。

最初は70-300mmの望遠ズームで狙っていたが、翔び立つこともなくあまりにもバタバタしているので、100mmマクロに持ち替えてそっと近づく。
至近距離にレンズを近づけても逃げない。
ファインダーを覗いて想像もしなかった意外な状況を見付ける、キアゲハは口吻をヒルザキツキミソウの花の根元に差し込んでいるのだ。

これはまさに盗蜜行動ではないのか。
それにドジなヤツなんだろうか、突き刺した口吻が抜けずバタバタともがいているのだ。

(キアゲハは何ショットも撮る間バタバタもがいていたが花から手を放すと翔び立っていった)

体の大きいクマバチやオオマルハナバチの仲間などが花の根元に穴を開け蜜を取る穿孔盗蜜については承知しているが、キアゲハが盗蜜するなどということは聞いたことがない。
Webで検索してみたがチョウの盗蜜などという事例は今のところ見つからずだ。

いろいろ調べていて、チョウの盗蜜に関係しそうな花・ヒルザキツキミソウの記事を発見する。
岡山理科大学 生物地球学部の植物生態研究所(波田研)ホームページ 植物雑学事典に以下のような記事があった、転載させて頂く。
「・・・・・(ヒルザキツキミソウの)花弁の基部が筒状になっており、その中から雌しべの柱頭がでているのである。となれば、蜜はその奥にあることになる。長い吻を持っているチョウの仲間か、極小さな昆虫しか蜜にありつけないことになる。・・・・・」

確かに指摘のようなヒルザキツキミソウの花の構造だが、アゲハは長い口吻を持っているのだ、花の根元に吻を突き刺さなくても吸蜜出来るはずだが。

アゲハの一部には送粉者としての役割を放棄し、盗蜜行動をするヤツも生まれたのだろうか。

今日はクロアゲハ、ナミアゲハツマグロヒョウモンの飛翔体が撮れた。

炎天下、重装備で出掛けていたので相当に草臥れた。