トゲナナフシ

朝早く階段横のツタの這う石垣でトゲナナフシを見付ける。
見ていると超スローで石垣を登っているのだ。
ナナフシの仲間はこれまで何度も見ているが動いているのを見たのはこれが初めてだった。


野外のトゲナナフシは全てがメスだという。
単為生殖で子孫を残すのだ。
このメスばかりのトゲナナフシの世界で極々稀にオスが発見されることもあるようだ。
2009年9月京都府南部でオスが発見されたのがその一例、オスはこの一匹だけ。
こうした単為生殖という生態を選んだのにはどんな理由があったのだろうか。

ブロック擁壁ではホシホウジャクの若齢幼虫と思われるイモムシを見る。
赤みを帯びた尾角を立てかなりのスピードで擁壁を登っているのだ。


陽が高くなれば石垣もブロック擁壁も灼けつくように熱くなる、その熱を避けようとトゲナナフシもホシホウジャクの若齢幼虫も上のツタの葉陰に逃げ込もうと登っているのだろう。
童話作家だったらトゲナナフシや尾角を立てたイモムシを見たら、どんな物語を紡ぎだすだろうか。
学生時代の友人Sさんはクラブ活動の人形劇団に所属しシナリオを書いていた、存命ならばいいおばあさんだ、遠い遠い頃のことを思い出していた。